【古典落語】「夏の医者」のあらすじと解説~不思議な世界観の広がり

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る


今回は「夏の医者」のあらすじと解説について書いていきます。

「夏の医者」は演者によって、大きく噺の見せ方が変わる噺ではないでしょうか?

一見すると、怪談噺のようでもあり、人情噺のようでもあり、その実は滑稽噺というのが面白い話ですよね。

 

 

夏の医者とは

笑話本『軽口独狂言』の一編「蛇の毒あたり」が原話であるとされている。

主な演者としては2代目桂枝雀、6代目三遊亭圓生、三遊亭鳳楽が知られる。

 

あらすじ

父親が病気になり、息子が看病していると、叔父夫婦が見舞いにきた。

医者に診てもらったほうがいいという叔父夫婦からの助言もあり、医者に診てもらうことした。

しかし、一番近い医者でも隣村にしかいない。

そこで息子が医者を迎えに出かけた。

夏の暑い盛りに山の裾をずうっと回って六里。

ようやく玄伯という老医の家に着いた。

裏へ回ると玄伯はふんどし1つで庭の草をむしっている。

玄伯はのんびりした老医者で息子が急かしても草を抜き終わるまで待っていろと言う。

待っている間息子も縁側で一服。

そのうちにあらかた草がなくなった。

ようやく腰をあげた玄伯と息子は、薬箱を用意して出発した。

帰りは玄伯の提案で山を越えていくことにした。

玄伯が先にどんどんと山を登り、頂上についた。

二人とも水をかぶったような汗。

後は下りだから, ここらで一休みしようと松の木陰に腰をおろした。

汗を拭き、一息ついた玄伯は野菜のでき具合などを話しだす。

息子は父親が心配で気が気じゃない。それでも玄伯はあくまでもマイペース。

ゆっくりと一服し、さて出発と立ちあがったとたん、急に周囲が暗くなった。

真っ暗でなんだか生温かい。

息子がいったい何ごとだと尋ねると玄伯は落ち着き払って、

「こりゃ、山の主のウワバミ(蛇)に呑まれたみたいだ」

他人事のような口ぶり。

このままだと腹の中で溶かされちまうな、などと言いだす。

息子は「溶けるのはいやだ」と騒ぎはじめた。

玄伯は息子をなだめ、おもむろに薬箱から下剤を取りだし、あたりにパラパラとふりまいた。

体の中に下剤をかけられたウワバミは、のたうち回って暴れだしたが、そのうちに二人を尻から外へと出した。

災難こそあったが無事に山をおりた二人は、妙な臭いをさせながら家に到着した。

さっそく、玄伯が父親の診察にとりかかった。

見立ての結果、食中毒。

最近、何か大食いしていないかと聞かれた息子が、大好物のチシャのゴマあえをたくさん食べたと答えると、

玄伯は合点がいったとポンとひざを打った。

「それだ。夏のチシャは腹にさわるからな。では、薬を作ろう」といったが薬箱が見あたらない。

山でウワバミの腹へ忘れてきたのだ。

もう一度、ウワバミの腹に入ろうと山へ戻った玄伯老。

すっかりまいっているウワバミを見つけ、

「すまねえ、ちょっくらもう一ぺん、呑んでもらいたいんじゃが」

「もうだめだ。夏の医者は腹にさわる」

 

よかったら下記リンクをクリックしてください。

にほんブログ村 その他趣味ブログ 和の趣味へ

 

解説

まず、用語の解説から入るとウワバミとは一般的に大きな蛇などを指し、チシャとはレタスの事を指します。

レタスは高原野菜のため、高温に弱いため、夏のチシャは傷みやすいといったところでしょうか?

サゲの「夏の医者は腹にさわる」は夏のチシャと夏の医者を掛けた洒落ということですね。

 

 

 

動画

やはり演者によって個性が出る演目ですね。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*