【古典落語】「怪談乳房榎」のあらすじと解説~神話にも通じる怪談噺

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日本はもちろん、世界の神話にも通じるような怪談噺「怪談乳房榎」ですが、現代の怪談とは違い、戯曲のような面白みがありますね。

今回は怪談乳房榎のあらすじと解説について書いていきます。

登場人物の業の深さを表現する噺家の技量が試される演目の一つでしょう。

 

 

怪談乳房榎とは

三遊亭圓朝によって創作された怪談噺で1958年に映画され、2014年ニューヨークにて平成中村座の歌舞伎として上演されるなど現代でも評価される怪談噺です。

 

あらすじ

絵師・菱川重信はもとは浪人だったが、精進のかいあって江戸でも名を知られるほどになった。

柳島小町と評判の美女、おきせを嫁に迎え、真与太郎という子どもも生まれた。

ある日、重信は一家揃って花見に出かけたが、そこで浪人・磯貝浪江と会う。

磯貝はぜひ弟子にしてくれと頼みこむが、本音はおきせに一目惚れしたのだった。

五月、重信は寺の本堂に龍の絵を描くために家を留守にした。

その隙を狙い、磯貝は重信の家をたずね、仮病を使って泊まりこみ、夜半になってからおきせの部屋に忍びこんだ。

抵抗するおきせを、逆らえば真与太郎を殺すとおどし、思いをとげてしまう。

一度が二度になり、おきせは磯貝に情が移ってきた。

そこで磯貝は二人の関係をもっと確かなものにするため、重信を殺そうと決心し、出張先の寺をたずねる。

寺には下男の正介もついてきていた。

磯貝は正介を酔わせて、重信殺しに協力を誓わせた。

正介は重信を近くのホタル狩りに誘いだし、帰り道、ひそんでいた磯貝が酔った重信を殺してしまう。

正介が何食わぬ顔で寺に戻ると、なんと重信の亡霊が龍の絵を描き続けていた。

野辺の送りをすませ、四十九日がすむと、磯貝はおきせの亭主に収まってしまう。

こうなると真与太郎が邪魔だ。

磯貝は正介に真与太郎を殺せと命じた。

赤ん坊の真与太郎を抱いて新宿のはずれ、十二社の滝まできた正介。

ためらったが「南無阿弥陀仏」と唱えながら、真与太郎を滝の中へ。

あとをも見ずに逃げだそうとする正介の前に現れたのは、真与太郎を抱いた重信の霊だった。

重信に諭された正介は、心を入れかえ、真与太郎を育てようと決心し、赤塚村の松月院という寺の寺男になった。

それから数年、松月院の榎を信心すると乳の出ない人にご利益があると評判が立った。

そのころ、おきせの乳房にできものができた。

評判を聞いた磯貝は松月院に人をやり、榎の乳をおきせの乳房に塗る。

するとおきせはスヤスヤと寝ついたが、明け方近くに激しい痛みが襲ってきた。

磯貝はおできを切り取ろうとするが、手元が狂い、おきせを殺してしまう。

葬式のあと、磯貝は使いの者から正介の消息を知り、悪事が露見するのを恐れて松月院へ。

そこではちょうど正介が真与太郎にすべてを話していた。

磯貝は二人に切りかかるが、天の助けか磯貝の刀が鴨居にひっかかるところへ、幼い真与太郎の錆刀がグサリ。

正介は出家して諸国回向の旅へ、真与太郎は父の主家に帰参がかなって大団円となる。

 

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解説

この演目は非常に長く、通常寄席などではなかなか演じられない演目です。

重信の霊に乳房榎から出た乳を真与太郎に与え育てろと言われた正介がその通りにするというバリエーションもあります。

形は違いますがオイディプス・コンプレックスで有名なオイディプス王の神話も父殺しということで通じる部分もあるかもしれませんね。

 

動画

三遊亭圓生の演じた怪談乳房榎です。ぐいぐいと話に引き込まれてしまいます。

 

歌丸さんは子供の頃から笑点で見ていたため、落語を聞くとあまりの技量にいつも驚かされてしまいます。

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