【古典落語】「首提灯」のあらすじと解説~仕方噺という動きの話芸

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今回は「首提灯」のあらすじと解説についてまとめていきます。

この話は仕方噺といって動きで笑いを取る話芸です。

実はワンピースのキャラクターであるブルックの技の元ネタになった話でもあります。

首提灯とは

原話は、安永3年に出版された軽口五色帋の一遍である『盗人の頓智』だといわれる。

近年では6代目三遊亭圓生が芸術祭文部大臣賞を受賞した作品としても知られる。

 

あらすじ

ある夜、かなり酔っ払っていい気分になった町人が品川の遊女の所へ向かうため、芝にある増上寺の山内を通りかかった。

ここは追いはぎや辻斬りが出るという噂のある物騒で寂しい場所だ。

酔いに任せて怖さをまぎらそうと、わざと大声を出して歩いていると「おい、待て」と暗闇から声がかかった。

もう出たかと見ると、一人の武士がぬっと立っている。

町人は怖いのだが、そこは威勢の良いのが江戸つ子。

おまけに酔っているから「な、なんでえおどかすねえ」と、空元気で言い返した。

「麻布へはどう行くけ」

じつはこの武士はただ道に迷っただけの田舎者だった。

田舎の訛りまるだしで町人に道を尋ねたのだ。

追いはぎでも辻斬りでもなく、おまけに田舎者だとわかり、ほっとした町人はますます調子にのってべらんめえでまくしたてた。

「田舎者の道案内しようってんで、夜中まで歩いているんじゃねえや。」

武士は人間ができていると見え、丁寧な口調で問い直すのだが、一度、舌が回りはじめた町人はたてつづけに悪口雑言を投げつけた。

「丸太棒、ぼこすり野郎、かんちょうれい、二本差しが怖くて焼き豆腐が食えるか」ともう思いつくかぎりの罵詈雑言を浴びせた。

さすがの武士も腹にすえかね「これ町人、この大小が目に入らぬか」とおどした。

町人はそれでもひるまず「そんなのが目に入ったら、見せ物に出らあ」などとからみまくる。

ここまでくると武士もあきれてしまい、町人を追い払おうとする。

すんなり町人が別れればよかったのだが、立ち去りぎわに武士の紋服へつばを吐きかけたのが運のつき。

ついに堪忍袋の緒が切れた武士は「待てえ」と町人を追いかけ、気合いもろとも一太刀を浴びせた。

武士の腕があまりに鮮やかで一瞬の事だったため、町人は斬られたことに気がつかない。

そのまんま鼻歌まじりのいい気分で品川のほうへ歩いていったが、そのうち、だんだんと斬られた首が横を向いてくる。

不思議に思いながら両手で何度か首を正面へ向け直しているうちに、手に血がべったり。

「やりやがったな」

やっと斬られたことに気がついた。

そこへジャンジャンと半鐘が鳴って火事事見物のやじ馬がぶつかるので、両手で首を押さえていた町人は落とすといけないと思ったか、自分の首をひょいと差しあげて、提灯のように掲げ

「はい、ごめんよ、ごめんよ」

 

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解説

この噺は仕草や動きが面白く、見せ場も多い落語です。

武士の高い技術に一瞬で首を切られた町人が気付かず、しばらく歩いている。

そんな中で火事が発生していたため、首を提灯のように外し、走り出したという噺です。

ワンピースのブルックの「鼻唄三丁矢筈斬り」という技があり、切られた後もしばらく気付かないほど一瞬で切るという技です。

この技は平井権八という講談・浄瑠璃・歌舞伎・映画等の世界では白井権八として知られる人物のエピソードで語られる技です。

実に日本的な演出ですが、現代でも息づいていることを考えると文化的にも非常に面白いと思います。

 

動画

町人の人間性が非常に面白い噺ですね。

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